杖・歩行器・車椅子でも自立できる暮らしの整え方
心に決めていることがあります。
介護は、完全には防げないかもしれない。母を見てきたので、それは分かっています。努力で全部をどうにかできるものではありません。
でも――始まりを遅らせる工夫は、できるはず。
介護する側を経験した私が、介護される側になる日を少しでも遠ざけるために、毎日やっていること。特別なことは何もありませんが、だからこそ書いておきたいと思います。
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朝の10分ーストレッチポールとローラー
毎朝、起きたらまずカーテンと掃き出し窓を開け空気の入れ替え。窓辺でストレッチポールの上に寝て、息を口から長く細く履くことに意識を向けながら深呼吸。そして力を抜いてゆらゆら揺れます。それから両手を上に伸ばして脱力。両手の甲を床につけて、肩回し。仕上げにフォームローラーで、足から肩にかけてほぐしていきます。窓越しの空を見上げながら…
ここまでで、およそ10分。
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大げさな運動ではありません。でも、朝いちばんに呼吸を整え体をほぐしておくと、一日の動き出しがまるで違います。60代になると「固まったまま一日を始める」ことが、思っている以上に体にこたえるんですね。
続けるコツは、ハードルを上げないこと。「揺れるだけでもいい」と思っているから、続いています。
どうしても時間がない時は、子供から教わった”壁を使ったストレッチ”しています。それは、また違う機会にお伝えできればと思っています。
運動は「時間を作る」より「暮らしに埋め込む」
実は私、ジムには通っていません。それでも体を動かす量は、意外と確保できています。
職場までは徒歩10分弱。仕事は立ち仕事で、1日8時間のうち座れるのは休憩の30分ほど。そして月2回、木曜日に4時間、屋外でソフトテニスをしています(炎天下の8月と真冬の2月はお休みです)。
「運動の時間を作らなきゃ」と気負うと続きませんが、通勤と仕事そのものが運動になっていると考えると、気が楽になります。ひとり暮らしは家事も全部自分の仕事ですから、それも立派に体を使う時間です。
座りっぱなしの毎日だという方は、まず「歩く用事」をひとつ暮らしに埋め込むところからで十分だと思います。
食事ー帰宅後すぐ、レンジメイトのスイッチを入れる
仕事から帰ったら、お弁当箱を洗いながら、レンジメイトに肉か魚と野菜を並べ、蓋をしてスタート。シャワーを浴びて洗濯機を回し、基礎化粧を済ませたら、2回目は合わせダレをかけてチンで夕飯が完成します。
そこに強炭酸水とレモン果汁orリンゴ酢、そして納豆。これが仕事の日の定番です。
疲れて帰った日に「作るのが面倒だから食べない・買ったもので済ませる」を防ぐには、考えなくても回る仕組みにしておくのがいちばんでした。ひとり分の食事づくりの工夫は、別の記事に詳しく書いています。
心の習慣ー母へのお水と、植物の世話
毎朝、母の小さな遺影に好きだったコーヒーと菓子それと新しいお水をお供えします。古いお水は、観葉植物にあげます。それから観葉植物とベランダのオリーブ他にも水やり。
介護予防というと運動と食事の話になりがちですが、私は「朝をむかえられる感謝と安らぎを与えてくれる存在」も、同じくらい大事だと感じています。毎朝、母に手を合わせ植物に手をかける。その小さな役割が、一日の背骨になっています。
それと、休日のブログ。人見知りの家で過ごすのが好きな私。意を決して主催日と休日が合えば、ブログで先ゆく先輩に会いに行き始めています。知らない世界を教えてくださり学ばさせていただき刺激を受けて、家に戻りあれこれ試行錯誤でアッという間に楽しい時間が過ぎていきます。今より一歩でも進めたら嬉しいです。そして歳を重ねてベット上で長く過ごす日が来てもブログを書けたらいいなと思っています。
休日の入浴タイムー入浴剤で選ぶ、全身チェックの時間
休日は夕方から、その日の気分で入浴剤を選び、ゆっくり湯船に浸かるのが楽しみです。一般的に夜に入浴する方が多いと思いますが、私は早めの時間にゆったり浸かる派。実はこの時間、全身をチェックする習慣も兼ねています。
湯船で自分の体をぼんやり眺めていると「あれ、これいつの間に?」ということがよくあります。覚えのないアザ、足の形やむくみ具合、手指の関節が心なしか太くなっている気がする……。日々の忙しさの中では気づかずに通り過ぎてしまう小さな変化に、この時間だからこそ向き合えるんですね。
気づいたことは、そのままにしません。まずはストレッチやマッサージなどセルフケアで様子を見て、それでも気になるようなら、迷わず病院を受診するようにしています。「たいしたことないだろう」と自己判断で放置しないこと。これも、介護される日を少しでも遠ざけるための、私なりの小さな習慣です。
これから始めたいことー「やりたい」も介護予防
正直に、まだ「やりたいまま」のことも書いておきます。
いちばんやりたいのは、エアリアルヨガです。以前、〇〇のスタジオで体験したことがあるのですが、腕の可動域が格段に上がって、その後のソフトテニスが楽しかったこと!「あ、動ける」という感覚は、何歳になっても嬉しいものですね。年と共に狭まる可動域のチェックは大切だと思っています。
それから、水泳。先日、子供夫婦出場の水泳大会を応援しに行くと10〜90代まで出場され80・90代で世界新記録が続発!素晴らしいお姿を目の当たりにしました。夢中になる好きなことがあるのは重要なんだなぁ…そして幅広い年代の方々と交流できる機会に恵まれるんですね。母にプレゼントした未使用の水着もあり「これで始めてみる?」情報収集しながら思案中です。
麻雀の入門本も買いました。……まだ読めていません。頭を使って人と卓を囲む「健康麻雀」は、シニアの脳トレとして人気だそうなので、いつか、と思っています。
日本全国を旅行して名産物の食べ歩き!楽しそう!
全部できていなくていい、と自分に言っています。「やりたいことがある」こと自体が、たぶんもう介護予防なのです。
おわりにー「動ける今日」を、当たり前と思わない
朝の10分のストレッチも、徒歩の通勤も、納豆も、母へのお水も。ひとつひとつは、本当に小さなことです。
でも、介護の日々を経験した私は知っています。「当たり前に動ける今日」が、どれほど貴重か。
介護される日を、一日でも遠くへ。介護を経験して、なんとも言えない状況に遭遇する…それは身近な関係(夫婦・親子)ほど甘えや暴言がでて難しく、逆に他人である方(介護職の方やお世話になっている方など)には感謝や遠慮を口にする、母に限らず多くの方はされているように思います。
私は毎朝のストレッチポールの上で”今朝が人生で一番若い日。ありがとう”と掃き出し窓越しに見える空にむかって感謝。そして1日がスタートします。
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