60代シングルひとり暮らし ― 杖・歩行器・車椅子でも自立できる暮らしの整え方
「年金だけで暮らせますか?」という問い
正直に言います。私はこの問いが怖かったです。
数字をちゃんと見てしまったら「全然足りない」という現実を突きつけられるような気がして、なんとなく後回しにしていました。でも目をつぶっていても年金の額は変わりません。向き合わないと備えようがない、と思って調べ始めました。
自分の年金額を知る
まず手元に届く**「ねんきん定期便」**を引っ張り出しました。50歳以上になると、これまでの加入実績に基づいた「65歳から受け取れる年金の見込み額」が記載されています。
見込み額は日本年金機構の「ねんきんネット」でも確認できます。スマートフォンからアクセスできて、マイナンバーカードがあればその場で登録可能。働いた期間や収入によって金額が変わるので一度確認してみることをおすすめします。
ちなみに厚生年金に加入していた期間と、国民年金だけだった期間では受給額に大きな差が出ます。フリーランスや自営業の期間が長かった方は特に注意が必要です。
年金だけでは足りない場合、どう考える?
前回の記事で書いた通り、私の毎月の生活費はおおよそ14〜18万円ほどです。
一方、シングル女性の年金受給額の平均は月10〜12万円前後と言われています(加入期間や収入によって大きく異なります)。単純計算で毎月2〜8万円ほどの不足が生じる可能性があります。それとは別に制度的に見ると年金受給額(65歳以上単身155万円以下の条件)で地方税免除や医療費負担割合の軽減、介護費負担の軽減、行政支援金の受給などがあり老後資金の不足には助かることもあります。
そして不足分を補う方法として、私が考えていること。
・できる限り働き続ける ―年金加入が足りない方が助かるのは60歳以降も働くことで経過的加算など年金額の 増額(収入額で決まる)があること。仕事を続けることで年金の繰下げ受給も検討できます。65歳より後に受け取り始めると1ヶ月遅らせるごとに0.7%ずつ増額(最大75歳まで42%増)。健康であれば働きながら受給を遅らせるのは有力な選択肢です。
・貯蓄を取り崩す計画を立てる ― 不足分を補うために毎月いくら取り崩すか逆算しておきます。毎月5万円の不足なら年間60万円、10年で600万円の備えが必要な計算です。
・支出を見直す ― 年金生活に移行したら生活費のどこを削れるかあらかじめ考えておきます。「削りたくない項目」を先に決めておくと動きやすいです。
「今、働くこと」が老後の備えになる
終のすみかを探す前の記事でも書きましたが、私は「ピンピンころり」を目標に、身体が動くうちは働き続けることを選んでいます。
働くことには、お金以外の意味もあります。生活リズムが整う、人とのつながりが続く、頭と体を使い続けられる。身近にいる80代の先輩が持病を抱えながらも早朝の仕事を終えてから趣味を楽しんでいる姿には、何より説得力がありました。
収入があるうちに貯蓄し、年金の繰下げも検討し、生活費を把握しておく。この3つを並行して進めることが、私にとってのお金の備えの柱です。
まとめ
年金の話は、知ることから始まります。ねんきん定期便やねんきんネットで自分の見込み額を確認し、生活費と照らし合わせてみる。その差を小さくするために何ができるかを焦らずひとつずつ考えていく。
怖くて後回しにしていた数字と向き合ったら「なんとかなるかもしれない」と思えてきました。まずは制度も含めて知ること。それが一番の第一歩でした。数字と向き合ったので一度AIと壁打ちしてみようと思います。
次回は、医療費と介護費の備えについてです。ひとりで向き合うからこそ、早めに知っておきたいことを書きます。
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